おじぞうさん
■ お地蔵さん
市内の集落で信仰される地蔵菩薩(じぞうぼさつ)の通り名。市内では路傍に立っていたり、地蔵講の人がお堂でまつっているものも多くあります。地蔵はもともとは六道の輪廻(りんね)に苦しむ人々を救うことを目的とした菩薩ですが、現世利益をかなえる菩薩として信仰が広がり、市内のお地蔵さんも延命地蔵、子安地蔵など願いことをかなえる庶民のお地蔵さんとして親しまれています。また地蔵盆にはお供えが地域の子供に分けられたり、地蔵盆踊りなどが行われたりし、子どもにも親しまれています。集落の入口や角に立って外部からの悪疫の侵入を防ぐ役割を担っているもの、しらみ除けに霊験があるもの、墓地の入口に立って生死の境を見守っている六地蔵などじつにさまざまなお地蔵さんがあります。地蔵講のなかには信仰者の集まりというだけでなく、かつては宮座のように構成員の資格が厳格なものもありました。市内でもっとも親しまれた民間信仰といえます。
(出典:『泉佐野何でも百科』 泉佐野市役所 1994年 41ページ)