羽倉崎町、松原町一帯の海岸は、昔から松林が続き、「佐野の松原」と称される景勝の地でした。 平安朝以来の歌枕として世に知られ、いくつもの和歌や新井白石の漢詩などに詠まれてきました。 現在ではこの由緒ある松林もすっかり見られなくなり、わずかに佐野中学校の周囲に残っているだけです。 忘れずよ松の葉ごしに波かけて夜ふかく出し佐野の月かげ (後鳥羽上皇) 冬の日にあられふりはへ朝立てば浪に浪こすさのの松原 (藤原定家) (出典:『泉佐野何でも百科』 泉佐野市役所 1994年 101ページ)