あおたし
■ 青田師
収穫前の農作物(主としてタマネギ)を購入し、自分の費用で収穫し市場に販売する仲買人の通り名。農家がこのようにして青田師に売り渡すことを「青田売り」といいます。青田売りは、4月から5月のタマネギの収穫前に売買契約がすみます。農家にとってはタマネギは収穫に人出がかかるうえに、出荷する相場の変動が大きいために早めに価格を決めたい作物。青田師にとっては全国的な相場をつかんで有利な状態でタマネギを確保し、もともと投機性のあるタマネギ相場によって利益を見込もうとすることから、青田売りがさかんに行われてきました。このような取引方法は、泉南地域ではタマネギの栽培がさかんになった大正時代ごろから始まったようですが、青田師ももうけたり損したりだったようで、大きく蓄財するまでにはいたらなかったようです。
(出典:『泉佐野何でも百科』 泉佐野市役所 1994年 4ページ)