物語を紡ぐ文豪たちが愛した物、食、場所はどんなものだったのでしょうか。
興味深いのは「食」で、現代でも味わえるものが多く、
今も訪れることができるお店があります。
人柄や意外な一面を想像しながら、ゆかりの地を巡り、
お気に入りの作品をより深く楽しんでみませんか。
宮沢賢治
1896年8月27日生まれ。日本を代表する童話作家、詩人、農学者です。
生前刊行した2冊の著作『春と修羅』と『注文の多い料理店』が出版されて
今年で100年になります。
教師をしていた頃の行きつけの老舗蕎麦屋「やぶ屋」ではいつも、
天ぷらそばと三ツ矢サイダーを注文していたそうです。
今でも賢治セットというメニューで地元の人々に愛されています。
与謝野晶子
1878年12月7日生まれ。堺市の和菓子屋の三女として誕生しました。
20歳の頃、家業を手伝いながら和歌の投稿を続けており、
その後『みだれ髪』で浪漫派の歌人としてスタイルを確立しました。
11人の子を持つ良き母でもあり、子ども達のために小豆にこだわった、
羊羹やおはぎを手作りして食べさせていたそうです。
第3回 文豪が描くおぞましい話
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暑くて寝苦しい夜。怖い話を読んでいると部屋の隅やカーテンの隙間が気になって仕方がなくなりますが、
それでも読み進めてしまいます。読後には体感温度が2~3度下がって感じられることでしょう。
今さらクラシック?と侮るなかれ。現代人が読んでもおぞましい作品ばかりです。
江戸川乱歩
1894年10月21日生まれ。日本における本格推理小説やホラー小説の草分け的存在として知られています。
明智小五郎が初めて登場した『D坂の殺人事件』や、主人公が「まだ三十歳にもならぬのに、
ある恐ろしい体験をしたため一夜にして白髪となった」から始まる『孤島の鬼』など。
あっという間にその世界に引き込んでしまう、語り口の上手さに圧倒されます。
小泉八雲
1850年6月27日生まれ。ギリシャ生まれのイギリス人で、
日本に魅せられた彼は日本人女性と結婚し帰化しました。
耳なし芳一、雪女などなじみ深い日本の怪談話を妻のセツから聞き、
文学として魂を吹き込んだ『怪談』は、今でも読み継がれています。
来年の秋に放送の朝ドラ「ばけばけ」は、八雲の作品に大きく寄与した妻のセツが主人公の物語です。
第2回 文豪と恋
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恋愛小説。その歴史は深く、世界最古と言われている作品は、なんと古代ギリシアで書かれた『ダフニスとクロエ』だと言われています。
今年は大河ドラマで取り上げられている『源氏物語』も話題ですね。
もちろん近代文学にも素晴らしい作品がたくさんあります!
夏目漱石
1867年2月9日生まれ。明治末期から大正初期にかけて活躍し、正岡子規らと共に「余裕派」と呼ばれました。
1984年から発行されている千円紙幣の肖像として、私たちの生活にも馴染みのある作家です。
夏目漱石の恋愛小説といえば前期三部作にも含まれている『三四郎』や『それから』が有名です。
川端康成
1899年6月14日生まれ、大阪府出身の作家です。
「新感覚派」の作家として知られ、多くの文学賞のほか、日本人で初めてノーベル文学賞も受賞しています。
『伊豆の踊子』は高校国語の教科書に採用されていることもあり、読んだことのある人は多いのではないでしょうか。
温かい飲み物を片手に電子図書館で文豪の描く様々な恋を堪能してみてはいかがですか?
現代の恋愛小説や文豪自身のエピソード等が読める本もご用意しています。
ちなみに、泉佐野市には「恋」にまつわる素敵な場所もあります。お天気のいい日はぜひ足をのばしてみてください。
恋人の聖地「LOVE RINKu」
令和元年に設置された、りんくう公園内にあるモニュメントです。
大阪湾に面しており、関西国際空港へ離着陸する飛行機を一望できます。
フォトウェディングにも人気のスポットです。
「日根神社」
日本唯一の「枕」の神社です。その歴史はとても長く、和泉国五社の1つに数えられています。
縁結びや子授け、安産や子育ての御利益があるとされていますが、「枕」が睡眠を連想するということで、
最近は不眠で悩まれている方や健康に関してお参りされる方もいるそうです。
第1回 ええやん!大阪
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織田作之助
大正2年10月26日生まれ。太宰治や坂口安吾らと共に「無頼派」と呼ばれる作家のひとりです。
享年33歳という短い生涯の中で、多くの作品(主に短編小説)を執筆しました。
そんな彼の作品では、当時の大阪の活き活きとした姿や食べ物が魅力的に描かれています。
法善寺の夫婦善哉や自由軒のカレーなど、今でも名物として知られている物もあるため、
電車に揺られながら小説に耽り、作品に出てくるメニューで腹を満たす、なんて過ごし方はいかがですか?
作品に出てくる食べ物たち(一例)
夫婦善哉:法善寺の夫婦善哉、自由軒のカレー
アド・バルーン:出入り橋のきんつば
ちなみに、織田作之助のお墓は天王寺区の楞厳寺にあります。
美味しい物を食べた後に足を延ばすのも素敵ですね。
谷崎潤一郎
明治19年7月24日生まれ。東京都出身ですが、関東大震災後に関西に移り住みました。
作品ごとに様々な作風や文体で彩り、国内外から高い評価を得ている作家です。
そんな谷崎の代表作の一つ「春琴抄」は大阪市の道修町が舞台となっており、神農さんの名で
親しまれている少彦名神社の入口には春琴抄の碑が設置されています。
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