つくりぞめ
■ 作り初め
市内山手の集落の農家が、1年の豊作を祈願して田畑にお供えをしてまつる農作初めの行事。最近ではかなり少なくなりましたが、正月三が日の日根野、上之郷母山、土丸、大木の屋敷近くの田畑を注意深く観察すると、榊(さかき)(大木では譲葉(ゆずりは))と枯れススキを立て御幣とウラジロをつけ注連縄を張ってお祭りをしているのを見かけることができます。日根野など山裾の集落では年末に飾られますが、大木などでは元日になって飾られます。農家は正月には鏡餅、みかん、干柿などを一升桝に入れ、桝を箕に置いて、その年の豊作を祈願し、鍬で土を打つ所作をすることもあります。府下ではほとんど見られなくなった貴重な行事です。
いまではなくなった小正月の行事としては、15日に、1人が果樹の股にあずきがゆを置き、なたや鎌を振り上げて、
「なるか、ならぬか、ならな切ろう、」
と唱え、他の一人が、
「元から末まで、なります、なります」
と唱える行事なども行われていました。
(出典:『泉佐野何でも百科』 泉佐野市役所 1994年 151ページ)