すぎやまげんじろう
■ 杉山元治郎
〔1885−1964〕下瓦屋生まれの社会運動、農民運動の指導者。先祖は食野家の船頭をしていました。自伝によると、下瓦屋で顕如松の伝説などを聞いて成長し、府立の農学校で学び、キリスト教の洗礼を受けました。ついで東北学院で神学をおさめキリスト教の伝導師となり、社会運動に献身するようになりました。明治時代から大正時代にかけて日本の農村は地主と小作の対立が激しくなっていましたが、彼は過酷な条件を強いられている小作人の側にたって指導するようになり、1921(大正10)年の神戸で初めて日本農民組合を設立し組合長になりました。昭和時代には生まれ故郷の瓦屋や安松などでも激しい小作争議がありました。彼はその後政治の世界に進み、何度も弾圧を受けながら農民の地位の向上に努力して、戦後は衆議院副議長にもなりました。1963(昭和38)年ドイツ政府から、生涯にわたる社会運動を讃えて大功労十字星章が与えられています。
(出典:『泉佐野何でも百科』 泉佐野市役所 1994年 125ページ)