■ マタリンさん
疫病退散の神、麻多利(またり)神を祀った民間信仰。地元では麻多利はマタリンさんと呼ばれています。明治時代に流行したコレラやチフスなどの外来の伝染病を退散させようと、大木の人々が仏教の強力な神、麻多利、摩軻迦羅(まかかーら)(大黒天)を迎えて祀ったものです。上大木では今も7月24日に大祭を行います。マタリンさん信仰は土丸や山向こうの貝塚市秬谷、大川でもありますが、開国後に近代文明とともに入ってきたおそろしい伝染病に対してなすすべもなかった山里の人々が、マタリンさんに頼った心情がしのばれます。
(出典:『泉佐野何でも百科』 泉佐野市役所 1994年 203ページ)