こう
■ 講
伝統的な信仰で集まったり聖地にまいったりする組織。寺院で開く法会なども講と呼ばれますが、主に集落内でいまも活動する講がたくさんあります。講は宮座とちがって、加入の条件が特にない個人の自発的な集まりであったり、集落単位であったりと形態はさまざまです。代表的なものを紹介しますと、講のなかでもっとも目立つのが地蔵堂を中心とする地蔵講で、一定期日に寄り合うほか、8月24日には地蔵盆の行事を行うところがあります。庚申講は農家が庚申の日に寄り合います。行者講(山上講)はたいてい集落単位で組織され、子供や青年が一定年齢になると、奈良県大峰山に山上まいりをします。伊勢講は講員相互の会合のみである組織と伊勢神宮に代表が参拝する組織があります。報恩講は集落単位に会合を持ちます。講は疎遠になりがちな近隣の人々が親しく交流する場となっており、お互いに協力して生活する上で大事な役割を果たしています。
(出典:『泉佐野何でも百科』 泉佐野市役所 1994年 80ページ)